「雄馬……」
私は、なんと言っていいのかわからなかった。
雄馬の悔しさや辛さを、全てわかってあげられることはできないのだから。
「前に倒れた時は軽かったから、リハビリして歩けるようにもなったんだけど、今回はリハビリしても歩けるようにはならないって医者から言われた。言語障害もかなり残るらしいよ」
「それじゃ、おばさんも大変よね。私も向こうの仕事を辞めて、こっちに戻ってきたら手伝うから」
「えっ?朋花はそんなことしなくていいよ。こっちに帰ってくるのは嬉しいし、そうしてもらいたいけど、オヤジのことを朋花に面倒かけることはできないよ」
「どうして?」
「俺も朋花もまだ若いんだぜ。今から親の介護なんかしてたらたまらないよ。朋花はこっちで又仕事探すんだろ?」
「介護ってよくわからないけど、おばさんひとりで大丈夫なの?」
なんだか水臭いなと感じたが、私が思うよりずっと大変なことなのだと思った。

