魔法のキス


それからもリビングにいた人や、後から来た人が次々に食べてくれて、あっという間になくなった。


「このたい焼き美味しい。あ、ごちそうさま。私は池内佐和美、T大学の2年よ。あなたは?」


T大学?
あの?すごい。
ここは大学生も多いのだ。


「真鍋朋花です。村野中屋で働いてます」


「ね、夕飯は食べたの?」


あ、今から買いに行かなくちゃ。


「いえ、まだです」


「タメでいいわよ。私ねパスタ作ったの。余ってるからそれ食べる?」


急にタメとか言われても……


「えっ?いいんですか?いや、いいの?」


「あれー?俺の分のパスタはー?」



横から沢田さんが口をはさむ。


「今日は朋花ちゃんに食べてもらうー。我慢しなさい」



「はーい。朋花ちゃん、あんまり美味しくないかもしれないけど食べてねー」



と沢田さん。
ん?付き合ってるの?


「コラー!沢田!そんなこと言ったらもうあげないからねー!」


賑やかだなー。