私は自分の部屋に行き、バッグを持って玄関に走った。
「ちょっと朋花、どこへ行くの?」
「わからない。もうここにはいたくないの」
私は走って走って、雄馬がわからない道を通って、タクシーを探した。
どこかの駅の近くにいたタクシーに乗り込む。
「どちらまで」
どこへ行けばいいのか……。
「お客さん?」
「あ、とりあえず真っ直ぐ走ってください」
どうしよう……。
そうだ、坂口さん、坂口さんに電話してみよう。
呼び出し音が5回目で坂口さんが出た。
「もしもし坂口さん?私、真鍋ですけど。あの、お願いがあるの」
私は坂口さんに簡単に事情を話して、坂口さんの家に行ってもいいか聞いた。
坂口さんは、自分のアパートの目印を教えてくれた。
タクシーに目的地を告げて行ってもらい、坂口さんのアパートの前に着いた。

