コンコン


ドアをノックする音がして目が覚めた。
ベッドの上で泣きながら、いつのまにか眠ってしまったようだ。


「朋花?そろそろ出てきてちょうだい。ちゃんと雄馬君の話を聞いてあげて。ほんとに真剣に考えているのよ。だからママとパパも承諾したんだから」


そうかもしれない。
いや、きっとそうなのだ。


でもまだ納得はできない。
とにかく話を聞こう。


私はリビングに下りていった。


雄馬が悲しそうな顔で私を見ている。
私はどんな顔をしていいのかわからなかった。


「朋花ごめん。朋花にだけ黙っていた形になって、そりゃ怒るの当たり前だよな。俺、大学を合格することも、朋花のお父さんに許してもらうことも自信はなかったんだ」


私は黙って聞いていた。
雄馬は話を続けた。


「合格できたら、お父さんに話そうと思った。そしてすぐには許してもらえないと思ったから、毎日でも説得しに行こうと思ったんだ。その間朋花に心配させたくなかったんだよ」


なんとなく雄馬の言っていることが、理解できてきた。


「でもね、それは嬉しいけど、雄馬が最近なんだか冷たく感じて、私はとても不安だったのよ。私を心配させたくないって言われても、この数ヶ月はとても辛かったの。だからすぐには喜べないのよ」