「雄馬、ほんとにいいの?これ、もらっても」
「当たり前だろ。この日のために俺は頑張って仕事したんだ!どうだ、まいったか」
なんだよそれ。
「ありがとう雄馬。大切にするね。雄馬のプレゼント買いに行こうよ、何がいい?」
表参道のイルミネーションの綺麗な道を、恋人つなぎで歩きながら話していた。
突然、雄馬が一番綺麗なイルミネーションの前で止まった。
「朋花、俺の話を聞いてくれ」
「なぁに?」
急にどうしたんだろう。
やっぱり指輪は返しに行くとか言うんじゃないのかな。
そうよ、やっぱり雄馬には高すぎるプレゼントだもの。
「その指輪は俺の気持ちだ。朋花、俺と結婚して欲しい」
うん、そうよね、それがいいわ、返しに行く方が……。
えっ、なに?
いま何を言ったの雄馬。
「えっ?結婚って……」
「俺じゃ嫌か?」
「嫌じゃないよ!雄馬と結婚したい。でも……」
「わかってる。今すぐ出来ないことは。でも約束して欲しいんだ。俺たち結婚しよう。いつか必ず」
「雄馬……」
嬉し過ぎて言葉にならなかった。
たくさんの人達が歩いているところで、涙がポロポロこぼれ落ちた。
「泣くな。絶対に幸せにするから!」
「うん。ありがとう。お受けします」
「やった!」
どうしよう……。
まさかこれは夢なんじゃないの?
目が覚めたら……。
そんなの嫌だ。

