魔法のキス



「あっ!ケーキ買うの忘れた」


「俺も買おうと思ったんだけど、明日クリスマス用のケーキ買うか?」


「うん。そうだね」


まぁ、家でもいつもクリスマスと誕生日は同じ日にやってたから慣れてるけど。


「朋花おめでとう。はい、これ」


雄馬が、長方形の箱にリボンのついたものを渡してくれた。


「えっ?プレゼント?他にもあったの?」


「当たり前だろ。花だけなんて彼氏失格だろ」


「プレゼントは雄馬自身だけかと思った」


「お前マジで聞いてたのかそれ。俺自身がプレゼントって。あははは笑える」


「だって一番欲しいものだもん。あ、雄馬の身体じゃないよ」


私は箱を開けながら言った。


「ウケる。わははは」


なにを笑ってんのよ。
私がしたいわけないじゃないの。