魔法のキス



「うへ〜乙女チックなお部屋だこと!」


リビングに入ると雄馬が素っ頓狂な声を出した。


「乙女なんだから仕方ないでしょ。お母さんの趣味もあるんだけどね」


「お前も大変だな。一人暮らしも自由に出来ないのか」


「まぁね……」


そう言われればそうだ。
私は、まだまだ半人前にもなってないんだわ。
親の操り人形……。


「なに暗い顔してんだよ。朋花、誕生日おめでとう」


ギュッと雄馬に後ろから抱きしめられた。そしてクルリと前を向かされて、そのまま長い長いキス……。


次第に雄馬の息遣いが激しくなる。


ヤバい。
これはヤバい感じだわ。