レストランまで歩く間も、母の説教は止まらない。 「普段着でも汚い洋服はやめなさいよ。いつも綺麗にしていないと。それが仕事にも態度に出てしまうんだからね」 「はい。わかってます」 4月からの準備の為に来ていた間も、ブティックへ母と一緒に行き、普段着も母がほとんど選んだのだ。 母の言う汚い洋服とは、今まで私が着ていたようなTシャツとジーンズとか、普通に若い子が着ている、流行りの洋服全般である。 つまり常に、プロ意識を持てと言いたいのだろう。