しかし、高校1年生になった今では
お母さんが言った言葉を理解していて…
「本当にそうなのかな…?
もしそうだとしたら、あの中に…」
ーーーガサッ…
えっ?!
誰?!
今は夜の8時。
普通ならこんな時間に丘にくる人はいない…
恐る恐る振り返ってみると
そこには
ーっ!?
暗くてよくわかんないけど
月明かりに照らされて見えたのは…
赤い髪
筋が通った綺麗な鼻
キリッとした二重の目
真っ黒な瞳
不良っぽいけど
あたしの目の前に現れたのは
想像を絶するような美青年だった……
彼に見とれていると
形のいい唇が動いた。
「君、こんな時間にこんなところでなに
なにしてるの?」
穏やかだけど冷たくて低い声にビクッと肩が震えるのがわかった。