『すみません。 お待たせいたしまして、僕、香坂 准と申します。』
『いいえ、こちらこそ、忙しい中わざわざおいでくださり、ありがとうございます。娘の、秋月 美沙子です。』
「はじめまして…。」
『こんにちは。』
こんにちは…?
なんとなく、私のあいさつに対する返事に引っかかりを感じるが、香坂さんの物腰柔らかい笑顔に、それ以上は考えなかった。
それにしてもーー…
『失礼ですが、お母様は…?』
私の疑問を代替えして聞いてくれた母はやっぱり母だ。
香坂さんは、一人でやってきたのだ。
『すみません。うちの母は、今朝方体調不良のため、本日は欠席します。』
『あら。大丈夫かしら。』
『はい。この日を待ちわびたあまり、知恵熱を起こしただけですので…。』
『お気の毒に。お大事にとお伝えください。』
『はい。ありがとうございます。』
香坂さんは、終始笑顔だった。
綺麗な顔
バランスのとれた身体。
見るからにいい男だった。
世にいうイケメンだ。

