愛を囁いてもいいですか。




「なっ、なにこれ!?」


翌日早朝。

私、秋月 美沙子は驚愕していた。


「何、このドレス…っ!いつの間に買ったの!?」


早朝から、健やかな安眠を遮られ、あれよあれよと母のお見立てに従っていればーー…

胸元の開いた、大胆な真紅のドレスに動揺を隠せない。


「もうちょっと清楚な方がいいんじゃ、、、」

『ストール巻くんだから大丈夫よ。ほら、行くわよ!』

「ちょっ…まだ準備できてないんだけど!?」


お見合いなんて初めての秋月家は、朝からバタバタ。

話を持ってきた張本人は、出張中だし…。


「お母さん。車、私のでいいよね?試合会場まで直接行かなきゃなんないから。」

『どーとでもいいわよ、そんな事!準備は出来たの!?』

「はいはい…。」


はぁ…

ホントに行きたくないなぁ…。


いつもよりせっかちな母を助手席に乗せて、私はいよいよお見合いが取り計られるホテルへと車を発進させた。