――あれから1日ずっと、私に拗ねていた真奈美。
「真奈美、ごめんね?」
残業終わり。
私と真奈美しかいない社内で、私は真奈美に近寄った。
「真奈美…?」
『…――ん。』
「へっ?」
やっと真奈美が返事をしてくれたのに、声が小さくて聞こえなかった。
『こっちこそごめんって言ってるの!』
返ってきたキツい口調とは裏腹に、真奈美は言いすぎたとマズそうに顔を歪めた。
天邪鬼な真奈美。
真奈美はそんな自分が嫌だと前に言っていたけど、そんなとこも私は可愛いと思う。
口は正直ではないけど、そのぶん真奈美の表情が真奈美の本心を語ってくれるから。
「ふふっ…じゃぁ、仲直りね。帰ろう?」
差し出した手に、真奈美の大きな手が重なる。
『…おめでと、美沙子。』
気まずそうに、でも一生懸命に伝えてくれた真奈美が可愛くてしょうがなくなった私は真奈美に抱き着いた。
『わっ、美沙子⁉』
「ありがと。…飲みいく?」
『行く!』
こうして小さなわだかまりを解消した私たちは、軽い足取りへ夜の街へと向かうのだった。

