『パパね、会社の上司に泣きつかれたらしいのよ。いつまでたっても結婚のけの字もない息子と、美紗子をお見合いさせたいって…。』
「げ。まさか、その上司って…」
『そうよ、香坂さん。』
うぇーっ
唯一、お父さんの会社の人で知っているのが香坂さんという、部長さん。
40すぎの割りにイケメンでダンディな人。
だけど……
一度、香坂さんが我が家に来て、皆と食卓を囲み始めると、何故か私を気に入ってくれたらしい香坂さんは、うちの息子をもらってくれと言い出した。
さすがにそれは冗談だと、いつもかわしていた私だったけど…
こんな正式にくるなんて…どんだけ本気なんだよ!
…と、ツッコまずにはいられない。
「でもー…。」
『ここはパパの顔も立てて、ね?美紗子!』
「むっ、無理無理無理無理っ!やだよ、そんなんっ…!」
『アンタに拒否権なんかないの!やるったらやるわよ、今週の日曜!』
「今週の日曜って…明日じゃん!」
ついに逆ギレ状態の母に、折れるわけにはいかない。
明日は、試合もあるし!

