愛を囁いてもいいですか。




『…あのさ。』

「はい。」


長い沈黙。

合わせてくれない目線。

ちょっと強まる手首を掴む力。

准さんが言いたいことが分からない私は、ただただ准さんが言葉にしてくれるのを待つしかない。


『僕と、付き合ってくれませんか。』

「――え…?」


私に運なんかないと思ってた。

お金も、地位も、名誉もない、そんな人生を送ると思ってた。

平凡な生活を送って、平凡な男と結婚して。


『僕と、結婚を前提に、付き合ってください。』


でも、現実は全然違っていた。


「私――」


平凡、なんてなくて。

目の前にいるのは、イケメンで、地位も名誉もお金もある立派な男性で。

誰もが彼女にしてほしいと願ってしまうような魅力的な男性に、私は今、告白されてて。


「む、無理です…!」


気づけば、ノーサインを出していた。