「――美味しい!」


香坂さんの運転によって連れてこられたのは、定食屋さん。

私は香坂さんおススメの生姜焼き定食を食べている。


『良かった。ここ、僕の行きつけでさ。夜勤上がりとかはいつもここなんだ。』

「そうなんですね、確かに納得です。」


目の前の香坂さんは、満足そうにトンカツ定食を召し上がっている。

お医者さんだから、いつも高級なものを食べてるんだと思ってた。

意外と庶民なところもあるんだな、と少し親近感がわいた。


「ごちそうさまでした。」

『満足できた?』

「はい!また一人で来ちゃいそうです。」


ボリューミーで美味しくて、値段もそこまで張らないし。

今度の打ち上げはここにしようかな、と思うほど、私はお気に入りになった。


『そこまで気に入ってもらえると僕もうれしい。じゃぁ、行こうか。』

「あ、はい!」


ご褒美と言われてちゃっかり奢られた私は、またもや香坂さんの運転で家まで送ってもらうことになった。