愛を囁いてもいいですか。




――ピピーッ


前半終了。

ベンチに戻った私たちは、すぐさま水分補給とタオルで流れる汗を拭きとる。


『ちょっと美沙子、前半から飛ばしすぎ。』

「ごめん、ちょっとムカついちゃって。」


ベンチでの真奈美の説教はいつものこと。

まぁ、私よりも冷静な真奈美の指示と説教は正確だからちゃんと聞くべきなんだけど。

どうしても私の場合は理性より感情が勝っちゃう。


『キャプテンなんだからしっかりしてよね。』

「はい。肝に銘じます。」

『…。そう言って、肝に銘じてないくせに。』


えへ。

さすが真奈美、私のことをよくわかってらっしゃる。


「じゃ、みんな!あっちも後半は焦ってガンガン来るから、こっちもディフェンス固めで行こう!」

『『はい!!』』


うちの部に監督はいない。

だから、自分たちで作戦を練らなきゃならないし、プレーの解析も自分でやんなくちゃいけないから大変だけど、その分誰よりもチームメイトのことを理解できる。


「田代さん、後半もビデオ撮り、よろしくね!」

『了解しました!』


いつも私たちの試合をビデオに収めてくれるボランティアの田代さんに声をかけた私は、皆が先に向かったコートへ走って入場した。