愛を囁いてもいいですか。




「──何あれ。」


私は驚愕した。

観客席はほぼ埋まってる状態。

しかも、驚くべきところは──観客席のおろしだ。


“美沙子love”


って、意味分からん!!


『私もビックリよ。アンタのファンもここまでとは…。』

「は?」


真奈美、頭でもおかしくなった?

ふと隣を見れば、香坂さんも驚いていた。


『ファン?』

『そうなんですよ!こんな鈍感にも、ファンは数えきれないくらいいるんですよ!』

「ちょっ、酷くない!?鈍感って…」

『あっ!ちょっと、美沙子。そんな格好で試合でる気?』

「……着替えるわよ。うるさいなぁ。」


真奈美ってば、お母さんみたい。


「席まで案内します。香坂さん、行きましょ?」

『ぁあ…。』


真奈美の鬼のような形相に動揺している香坂さんを引き連れ、私は観客席へむかった。