愛を囁いてもいいですか。





『そうなの!?良かったわぁー!』


何が良いんだか。

そりゃ、ハゲでメタボの中年男より、何万倍も良いけど──…

私とこの人がお近付きになれる未来なんて想像できないし、

私とこの人が結婚──の前に恋人関係になれるなんて奇跡だと思う。


とにかく、お金も地位もルックスもある香坂さんは、私にはもったいない。


それから、母の一方的とも言えるストレートな質問に、香坂さんがいやな顔せず答えてくれる時間が続いた。

私がいる意味って…。


そんな時。


「お母さん、そろそろ私行かなきゃ。」


出発時刻となった。


『あら、もう?それよりアンタ、何も喋ってないじゃない。』

「だって…。」


そんな事言われても…。


『あ、良いこと思いついた!』


ゲッ…

母の企みを含んだ笑顔に背筋が凍る。

至ってこうゆうときって──


『准さん、うちの娘とデートしません?』


お節介なことしか言わないのだ。