音に乗れ!

なんだ、ざわざわバッテリーはいないのか。

首にかけたサックスのストラップと首の間に隙間を作り風を通すと、すっと涼しくなる。

汗をかいてブラウスがしっとりとしていた。

桜の木の緑の葉が、風に吹かれてわさわさと音をたてる。

青いなぁ。きれいだなぁと空と緑を見つめたあと、ふと正門に目をやると野球部がランニングから戻ってきた。

わ!わ!やった!

と思ったのに恥ずかしくて、沙代を呼び戻せない私はB棟へと走る。

急いで駆け込み沙代に追い付き、2階の音楽室に向かった。