音に乗れ!

野球部の掛け声を少し聞いてから、マウスピースに口をつけた。

プォーー

野球部に聞こえるように,出来るだけ細くて長い音を出す。

プォープォー

野球部を見たいな。
沙代みたいに素直になれたらな。わたしはいつも思う。人に好きな人の名前を言うのはどうしてこんなに難しいんだろう。

これでは告白なんて一生出来ないだろう。


1!そーれ!2!そーれ!
1234!223!

野球部の掛け声が終わる。

わたしの個人練習が始める。

指をたくさんたくさんたくさん動かした。
ソードードファソシーファソセドッレソーファソー

海の男たちがわたしの頭の中で航海を始める。

隣の後輩は足でリズムを刻む癖が治らない。あとでもう一度言わないと。