音に乗れ!

先生の声に気持ちか昂る。
大輔くんが呼ばれるのを考えると、すごくドキドキしてしまう。

「野球部、2年1組半澤大輔」

「はい」

きゃー!と思った。
どうしよう!とも思った。
どうしようもないのだけど、ドキドキしてどうしようもなかった。

拍手をしながら、後野大輔くんを確認する。
長袖の白いシャツが、黒い制服のズボンに緩くしまわれていた。

肘の下まで捲られたシャツから伸びる、日焼けした細い腕がかっこいい。
日焼けした顔が、足元のクラスメイトに茶化されくしゃりと緩む。
かっこいい。

「吹奏楽部」
っという声にビクッとして前に向きなおす。

少し緊張していたけど、わたしの名前は呼ばれなかった。

全部活動の新部長が呼ばれ、全員が壇上に上がる。
新副部長たちは、壇上の下に、部長の後ろに並ぶ形で列を作った。

その後ろ姿は誇らしげで、少し羨ましかった。