本の整理は思った以上に大変で、力仕事だった

 「えーっと、この本は‥…あーあっちじゃん」

 あまり要領が良くない私は

 一人で図書室の中を行ったり来たりしていた

 

 最後の一冊を戻そうと手を伸ばす

 が

 とどかない………

 珍しく手がとどかず本が戻せない

 どうしようかとなやんでいると

 手元にあった本が誰かによって

 あのとどかなかった本棚に戻された

 驚いて見ると、長身の男子が立っていた

 “この学校にこんなかっこいい人がいたんだ”

 「かっこいい」

 素直にそう思った

 「あ、ありがとうございます」

 すると彼は微笑んで

 「こんな大変な仕事一人でやってたの?

 普通こういうのは男の仕事なのにね

 かわいそうに」

 発する言葉の一つ一つが優しい。