「咲ーおはよー」

朝下駄箱の前で李恵に会ったので、そのまま話しながら教室へ

その途中

「あのっ、すみません。佐久間さん…ちょっといいですか?」

と見たことがない一人の男の子が話しかけてきた。
 
 “告白だ”

と思い、

 「先に教室行ってるね」

と李恵に断り、足早に歩いてきたものの

少しだけ寂しい気持ちが私の心にのしかかる。

このちょっとした心の痛みは何度経験しても

私の心は痛みに慣れてくれない。

私が教室に入ってから少しして李恵が戻ってきた

 「また告白かい?」

 「うん。でもちゃんと断ってきたよ」

 「そうかー」と言いながら授業の準備をしていると、ふと一つの疑問が浮かんだ

 “李恵はすごくモテるのに、なんで彼氏を作らないのだろう”