出れば出るほど止まらなくなっていった。
前が見えない。真っ暗ただ目に見えるのはそれだけ。


本当にあの嫌な予感が的中した。

しないで欲しかったのに…。

止めたいのに止まらない…。


その瞬間、両腕を掴まれた。


「空!俺にしとけよ!」

びっくりして何がなんだか分からなくなった。

大介が私のことが好き?



「そんなの嘘に決まってる」

「嘘じゃない!だから…」


大介が言いかけた時横から声がした。
私と大介は同時にその声の方向に顔を向けた。

「何してんの…」

何故か青は不機嫌そうだった。

「何してんのって言ってんの!」


青はガッと私を掴んでいる大介の手を引きはがした。


「何だよ青!?」

「……!」


青は無言で私の手を掴んで、急ぎ足で中庭を去っていった。


「…もしかして……青の奴」