「あたしたち、付き合ってるの?」
思いきってカケル君に問う。
「付き合ってるよ。なんで?」
「え、そうなの?付き合ってとか言われてないし…。」
「え、そうだっけ?付き合ってよ。」
カケル君は軽く言った。
「やだ。」
あたしは軽く断った。
「だめだめ。やだとかなし。もう付き合うことに決まってるもん。」
カケル君は結構強引。
「いいね?俺たちは付き合ってる。彼氏彼女だから。オーケー?」
あたしは黙って頷いた。
カケル君は小さな声で「よし。」と言って再びスマホに目をやった。
と思うとこちらを向いて真剣な眼差しで見つめてきた。
ドキドキしてしまう。
私の両手を握って言った。
「さくらのことが好きです。付き合ってください。」
「はい。」
息を呑むとはこういうことかと自分で実感した。うまく声が出ていないような気がしたけど、返事していた。
断れるわけない。
「よかった、こういうのはちゃんとしないとな。」
と言ってカケル君は子供みたいな笑顔を見せてまたスマホを見始めた。
キュンとした。
ずっと気持ちを抑える事に一生懸命だったから、急な展開についていけなくて、つい拒もうとしていた。
カケル君のこと信じられなくて飛び込めないって思ってたけど、カケル君が飛び越えてきてくれた感じ。
あたしがウジウジ考えてたから前に進めなかったのをわかってくれたのかな。
自分の気持ちに正直になっていいんだ。
もう他の人探さなくていいんだ。
カケル君しか見えなかったあの頃の私に伝えたいな、恋は叶うって。
他の人と付き合ったりしないで一途に想い続けてなさいって。
あたしは隣に座って腕を絡ませた。
幸せをかみしめた。
「なに?」
優しい声のカケル君。
隣にいてもいいって許されてることがとても幸せに感じられた。
「なんでもない。」
笑顔で答えた。

