【澪side】
「澪~美味しいケーキ屋見つけたっ!!食べに行こうよっ!!」
そう言ったのは幼馴染みの藍原奈々。
本人は自覚無いみたいだけど凄くモテる。
私の可愛い自慢の親友。
「うんっ♪」
そして私、秋月澪。
まぁ何処にでもいるような普通の中学3年生。
「玲斗も一緒に行かない?」
「ごめん。陽と遊ぶ約束してるんだよね」
この人は奈々と同じ幼馴染みの黒瀬玲。
成績優秀でスポーツ万能。
何より凄いのは整った顔。
昔からびっくりするくらいモテちゃうんだよね…。
「そっか~…残念…また今度一緒に行こうね!!」
「おう。じゃあ俺帰るから。」
「また明日っ!!」
「澪もじゃあな」
「ふん…早く帰りなさいよっ」
「おう」
彼はクスクス笑いながら帰って行った。
―ガラガラ…
「…」
奈々が黒い笑みを浮かべてこっちを見てきた
「何でしょうか…?」
「お前は…」
「ぇ…」
こっ怖い…
「何回言ったら分かるのよ!?」
「ぅ…」
「素直になれってさっき言ったでしょ!?」
「む…だって…恥ずかしいし…」
そうなんです。
私、秋月澪は黒瀬玲が好きなんです…。
そしていつもその彼に素っ気なくしてしまうんです。
「いつまでもそういう風にしてると嫌われちゃうよ!?」
「うっ…」
確かに…
「玲斗凄くモテるんだからね!?アピールしないとっ!!」
「うん…」
「玲斗いつ彼女ができてもおかしくないんだよ!?」
全くもってその通りです。
「もっと積極的に話しかけたりしなさいっ」
「でも奈々だってひ…」
「私の話はあとっ!!」
「はい…」
えっと一応言っときます。
奈々には好きな人がいます。
同じ幼馴染みの如月陽。
陽は天然でちょっと抜けてるところがあります。
でも凄く優しくて頼れる存在です。
「陽だってかっこいいからアタックしないといけないのでは…」
「何か言った?」
「いいえ。言ってません。」
奈々さん怖いです…
「そうだ澪!!早くケーキ食べに行こうよっ!!」
「あっそうだった。行こっか!!」
とりあえず怖い空気から脱出できた。
「話の続きは後でね?」
嘘です。脱出できませんでした。
ちょっぴり奈々に恐怖を感じながら
私と奈々は教室をあとにした。