この街に

「坂下さんっ、坂下のばーさん、いねぇの!?」



怒ったような叫び声まで聞こえてきた。



おそるおそる玄関を開けると、男の子が立っていた。
あたしと同い年くらいの、背の高い人。



「なっ……」



あたしを見てそう言うと、なぜか固まってしまった。