この街に

「おい!坂下さん!うちにいるじゃねーか!!」



俺の声に振り向く、金髪。青い目。

「あら、ごめんね。すれ違いだったみたい。」


だけど、流暢な日本語。



この人、坂下さんは正真正銘の西洋人なのだ。
亡くなったじいさんの名前が坂下で、この人の元の名は…リア・…なんちゃら。



俺の家族は、この春引っ越してきたばかりだが、母さんと坂下さんはすっかり
仲良しだ。