この街に

「なに?」

首を傾げてみると、困ったような顔をされた。


な、馴れ馴れしかった…かな!?



「なんか、俺んちにちっちゃいブドウの木があるんだよ。それのジャム。」

「え!すごい!!」


ブドウ大好きなあたしには笑顔にならずにはいられない。

「ありがとうございますっ!」

「…じゃ、じゃあ。俺はこれで。」




心をこめてお礼を言ったつもりだったのに。
そっぽを向かれたうえ、帰ってしまった。