そのまま、ソファーに倒されて性急に舌を突っ込まれる。冷たさに、からだが震えた。頭を抱えるように持たれ、逃げ場を失う。身体は熱くなるのに、一部だけ冷やされる不思議な感覚に酔っていく。
ひんやり冷された唇から滑り出すように口に放り込まれたのは氷だ。
疲れきってる私に歓喜している彼は一度身体を離した。
「エコだな」
冗談じゃない。どこがだ。
睨み付けると、彼はまた氷を含んでにんまり笑う。
飾りの網戸が鉄の窓になってくれはしなく、その後も盛った恋人は再びキスを始めて身体の火照りを楽しんだ。
私は掠れていく心地好い人肌に乱れた自分を置き去りにして、意識を飛ばした。
「癖になるな、氷」
「……………絶対修理頼むわ」
彼女の苦悩が一度にたくさん増えて困った。
彼は楽しそうににやにやと下品に笑った。
お隣にはなんて言おう。でもその前に謝罪の菓子織りを持っていこう。
絶対、これから、網戸にしない。
恥ずかしくて死ねる
end

