この後暇?と大輝さんに聞かれたのはもう陽が沈んで暗がり始めた頃だった。
もしかして塾?なんて愛想の良い表情を浮かべる親友の恋人は、やはり好感が持てなかった。
軽薄で見た目ばかりの知性。
言葉の使い方が上手くても、中身は心がないのは見え見えな、そんな喋り方をする人だった。
みっちゃんから私の話を聞いたのか、制服を見たからだろうか、彼は私が進学校に通っていて塾に行っている、と思っている。
つまり勉強ばかりで遊びには疎い、と判断した。
そんな簡単なことがすぐに分かった。
「大丈夫です」
塾も行ってないです、は面倒くさくて言わなかった。
そんなお金、うちには無いんで。
なんて皮肉の一つも言ってやりたい気分だった。
相手は少し驚いた様子だったが、「ほんと?」隣にいる彼女が身を乗り出して嬉しそうに言った。
「響子、いつも本当に忙しそうだったし、たまには私らと気分転換でもしようよ。それに」
そこで彼女は今まで座っていたブランコを降りた。
「勉強とか部活とか疲れ溜まるでしょ?」



