多分、自分でも分かっていた。
エゴだったのだ。
変わって欲しくない、だなんて。
置いて行かれたくない自分のエゴだった。
そんなこと分かっていた。
心の隅で理解していたけれど、私は気付かないふりをした。
認めたくなかった。
何だか酷く自分が惨めに思えたからだ。
誰かに追い付けないが為に必死で相手を見下す。
同じレベルにいないことを悔やむ。
ずっと心の中で冷笑していた彼女の位置に私は並んでいたかったのだろうか。
自由で寛容で自分の甘えを尽く包んでくれる外れた世界。
私はずっと憧れていたのだろうか。
その証拠のように自分の中にぽっかりと黒いもんが沈んだようだ。
敗北感にとてもよく似た感情。
楽しそうに近状を話している二人を余所に、私はぼうっとしていた。
夕日が沈む。
あの頃よりずっと目が悪くなったみたいだ。
滑り台にスローモーションで落下する橙色が酷く目に滲んだ。



