その公園は商店街を抜けた所にある。
たまたま商店街を抜けた時に見つけて、駄菓子屋さんで買ったお菓子を頬張りながらブランコに座った。
滑り台のてっぺん、その上に落ちる橙色がひどく目に染みた。
生まれて初めてちゃんと自分の目で見た風景を綺麗だ、と思い感動した。
だから今でもあの公園を思い出す時にはあの色が視界にちらつく。
またあそこに行きたい。
素直にそう思った。
昔から、過ぎた関係には興味がなかった。
友達も、恋人も、家族も。
その関係をそう呼べなくなった人達はすぐに他人という名に変わる。
それは早過ぎるくらいすぐに。
ただ、みっちゃんは私が自分から勝手に突き放した。
過ぎ去っていくのを拒んだ訳ではなく、自分から離れて行った。
でも今になって、遠く感じる彼女をまた以前のように身近に、そして親友として感じていたくなった。
今の彼女は私の一方的な物差しで計っただけの姿なんだって思いたかったのだ。
懐かしいあの場所に行けばあの時間がそのまま還ってくる、そう思ったから、いつもとは違う日にち付きの返事を送った。



