みっちゃんからの誘いを尽く避けていた私が久しぶりに彼女に誘われて遊びに行ったのもそれが理由だったのかもしれない。
「久しぶりにあの公園行こうよ」
彼女が送ってきたメールを見ながら『あの公園』という文字がぼんやりと目に滲んだ。
お互い、その場所の名前は覚えていなかった。
けれどしっかり記憶の片隅に滲んでいる、そんな思い出の場所だ。
その公園は少し遠い所にあった。
駅を四つ挟んだ隣りの隣りの町。
そこにぽつんと存在する。
いつだったろうか。確か小学校高学年の時初めて見つけて、それから中学生の頃も合わせて何回か通ったことがあるあの場所。
初めてみっちゃんと二人だけで二つ町を超えて買い物をしに行った。
この町よりももう少し活発な町で、そこにある商店街が目当てだった。
さびれて屋根やら壁やらが薄い木材で造形されていて、冬になると家自体が「寒い」と弱音を吐きそうなそんな古びれた店が並んでいた。
それでも何故、商店街というと暖かい印象があるのだろう。
風に曝されて擦れてがさがさになっているのが人間っぽさを出しているからだろうか。
新品で新しい無機質なものよりも人間味があるからだろうか。
そこにいる人々が暖かいのもあるのだろう。
そんな事を感じさせてくれるものがあるだけでも田舎はいい所なのかもしれないと思ったりする。



