青の向こう




大人がいくら心配したって無駄だと分かっていた。


むしろ余計荒れるだろう。

大人はそれが分かっていないのだ。


正義とか正しいとか言う言葉を、彼等は嫌う。

だって格好悪いし、嘘臭いし、格好つけてるみたいだから。

ベタな言葉で分かったつもりにされたくない。


多分そういう事なのだろう。


それなのにそれを強要する教師や親達は何故分からないんだろう。

自分達もかつて経験しただろうに。

いや、していないのかもしれない。


真面目に規則を守り、大人の言う事にきちんと耳を傾けていた人達には逆にそれが馬鹿らしく思える。

そんな子供時代を送っていたのかもしれない。


どっちにしろここでも二極化するのだ。


この小さな町ではいつも真面目か、不真面目かに分かれる。

色んな人に測られる。


同じような集団を作って、互いを褒め合い、慰め合って、片方は片方を鋭い目で睨み、片方は片方を見下したように冷たい横目を向ける。

大人や広い世界にいる人には大袈裟でどうでもいいように思われても、それがここのルールのように思えた。


私がいるのはそんな狭い町だったのだ。