青の向こう




態度には出さないけれど確かに見下している。

逃げの一手しかない人生に嘲笑し、冷たい目で見た。


家庭的な理由。
虐められたから。
勉強が苦手。

そう言って学校に行かなくなって遊びほうけるかつての友達を、私は密かに鼻で笑った。


そうして慰めてもらう相手を見つけた彼女達を私は褒めた。


よかったね、これでずっと逃げられるじゃん。

その人と結婚すれば一生逃げられるよ

なんて思いながら。


自分が最低だとは思わなかった。

正しいことを言っていると思った。


努力して進学校に入学し、こんな何もない所から必死に抜け出そうとしている人は私の学校には沢山いる。

逃げる為に、ここから出る為に彼らは努力してる。

私の通う学校ではは県外の学校を目指す人が半数を超える。



みんなここを出たくてしょうがないのだ。

ただ方法が違った。


そんな両極端で小さな世界を感じ始めたのはやはり高校に入ってからだった。


私はどっちなんだろう。

いつも考えていた。


皆ほどここを出たいとも考えていないし、ここから逃げ回る事も考えていない。


けれど絶対にみっちゃん達のようにはなりたくない。

逃げていたくはなかった。