青の向こう




田舎の学生において大事なのは恋愛だ(あくまで持論)。

それは田舎の大人も同じなんじゃないかと最近では思っている。


多分、ここには何もないからだろう。

遊びに行く場所も、することだってほとんどない。

せいぜい市内に遠出するだとか季節毎のイベントを楽しむくらいだ。


ここの人達は勉強や家族や友達、色んなものから逃げる為に恋愛しているように思う。

現実を直視出来ないから甘美な欲に落ちやすい。

特に女は。


高校に入ってから私の周りもほとんどが付き合い始めた。

といっても私の通う学校ではなく、中学の友達ばかりだけれど。


みっちゃんもその一人だった。


私がイメージしていた通りの派手で目立つグループに所属し、外見もがらりと変貌した。


髪を染め、まだ慣れない化粧を顔に乗せ、やたらと露出が高い服を着る。

目に見えて変わってしまった。


しかしそんな少女は夜や真昼の市内を見渡せば至る所にいる。


きっとみんな淋しがり屋なのだろう。


逃げたいけれど一人では逃げられない。

だから共犯者が必要なのだ。


それが愛している人なら尚更良い。


私はそんな彼女達を軽蔑していた。