昨日と同じようにあの座り場に横たわってみた。
またあの天上が広がる。
ちらりと横を見た。
やはり空虚な空間がそこに広がっている。
私はその体勢のまましばらくぼうっとした。
遠くでチャイムの音がする。
小学校だ。
誤作動なのか時々夜やこんな長期の休みの間も鳴っているのだ。
時刻は8時25分。
もうそろそろ高校の夏期講座も始まる。
ふとあの空っぽの席を想像した。
『どこかに連れて行ってあげようか』
あの日も彼がそう言った時にすぐに空っぽの席を想像したっけ。
…いや、違う。
あの人は自分からそんなことを言う人じゃない。
私が言ったんだ、彼に。
『どこか遠い所に連れて行って』と。
瞼が重い。
きっとよく思い出せなくなっているのもこのせいだ。
昨日眠れなかった分、眠気が一気に来たのだ。
ここは何故か落ち着く。
いつからあの家はあんなに寝心地が悪くなったのだろう。
しかしそれ以上は何も考えられなかった。
すぐに睡魔が訪れたからだ。
夢を見た。
二年前、初めて出会った頃だ。



