その小さな証拠がある限り、私は延々と物思いに耽った。
もしかしたら本当に私は時空を飛び越える、なんて事をしたのかもしれない。
いつも考えていたあのもし話を神様が聞いて願いを叶えてくれたのかもしれない。
現実的で理屈っぽい私がこんな事を考えるなんて、と今までの私は思っていたかもしれない。
しかし事実が存在する以上、現実的にそれを考察するしかなかった。
眠れない夜を過ごしたのは久しぶりだった。
"あそこ"で見た家の中や鳥居の向かいにある家が目に焼き付いて離れない。
そして響ちゃんの顔も。
明日もう一度あの神社に行ってみようと思った。
まだ確かめていない事がある。
私達はまだ友達になれていない。
それを私は確かめたかった。