青の向こう




夏はこのみっちゃん達のマンションと学校のプールを行き来し、秋はバドミントンをした。

冬は家に篭り、春は桜を掴もうと走り回った。


それが延々続くものだと思っていた。


永遠という言葉には無自覚で、当然のように毎日を生きていたあの頃。


しかし、私と頼ちゃんは団地から引っ越し、ここにあった桜は新しい家に変わり、私達はみんなばらばらの高校へと進学して行った。

みっちゃんとはまだ連絡が続いているけれど、滋とは中学に入ってから話をしていなかった。

私立や国立中学に進学した可奈や吉川君が今もこの団地に居るかは分からない。


過ぎ去って行ったものは数えたらキリがないのに、残ったものは数少ないように思う。


切ない。

悲しい。


けれど、ただそれだけだった。


もう子供じゃない。


足掻いても夢見ても嘆いても、無駄だったり挫折する事は知っている。


私は、随分立派な大人になったようだ。