青の向こう




本当にタイムワープしているとしたら、恐らくそれは神社がポイント地点なのだろう。

つもり、私は寝ている間に時空を超えてしまったのだろうか。


不意にそんな事を考えている自分が酷く馬鹿らしくなったが、嘲るにしても現にこの状況が事実だということに変わりはなかった。


さっきこれは現実だと言い切った後なのに、もうそれを撤回したくなっている。おかしな話だ。


しかし、私はこの状況以上に不思議に思う事があった。


何故私はこんなにも冷静でいられるんだろう。


元々、落ち着いた性格だとはよく言われるけれど、こんな状況で自分がこんなにも冷静でいられるなんて思ってもいなかった。


まだ夢だと信じきっているが故の余裕か。

それとも自分がずっと考えていた事が現実になった、その達成感のようなものなのか。


何れにしろ私は自分自信が一番よく理解出来ない。




無言は続いていたが、互いに物思いに耽っていたようで、気まずいとは感じなかった。


最初に沈黙を破ったのは私の方だった。