青の向こう




実際その二年後、県内で下から二番目に偏差値が低い高校にみっちゃんは入学し、荒れていった。

そういった学校に行く人は少なくなかった。


就職状況も最悪なこんな田舎では誰もまともに勉強したりしない。


今が楽しければそれでいいし、真面目に"お勉強"したり、門限や制服の着こなしを真面目にやる奴はださいのだ。


それが彼らの考え方だった。


私はどちらかと言えば真面目側の人間だったからある程度勉強もしたし、スポーツをしている男子にも憧れた。


それにつるんだり遊んだり何もかも放棄する事が自由なのかも、そもそも自由に生きているのが男らしいのかもよく分からなかった。


だから、というわけではないけれどそういう所からもみっちゃんとの考え方の齟齬は出来ていたのかもしれない。


高校生になって、学校が離れたみっちゃんとの間に大きな壁を感じるようになったのもそれが原因の一つであるのは確かだった。


意見は違うけれど、それが楽しい。

それはあくまで相手の考え方が理解出来た時の話だ。

いつからか私にはみっちゃんが考えている事が分からなくなっていた。