青の向こう




中学校からの日課の読書の影響だと思うけれど、私は理屈っぽい考え方をする。

こうだからこうあるべきだ、と考えるし、これは確率的に無理かも、と頭の中でやたらと計算したがる。


無意識にやっている事なので自分では気付かなかったが、

「響子ってさ、理屈?っていうのかな。それっぽいよね」

とみっちゃんに言われてはっとした。


そうか、私って理屈っぽいのかと思った。

言われてみれば、何かしら決め付けている感じはするし、行動よりも思考が優先される。

それに考え事をするのは好きだ。


だから時々ふと思った考えを私は彼女に話した。

第一ボタン観もその一つだ。


性格が似ている私達だが、考え方や好みは全く違うらしく、私が自分の考え方を話すと彼女は大抵「そうかなあ」と返す。

その後に続くみっちゃんの考え方を聞くのが私は好きで、みっちゃんの「そうかなあ」を密かに待っていた。


この時も考え方は真逆だった。


「やっぱり男っていうのは自由に男らしく生きるのがかっこいいよ。第一、上まで制服のボタン止めてるのなんてださいって」


そう話すみっちゃんは首元にシルバーを光らせて、長袖のブラウスを捲り上げ、スカートを膝よりかなり上に折っていた。

チャラい男子や女子達には及ばないけれどまあまあチャラい格好だった。


本当は"あっち側のグループ"に居たいんだろうなあ、と私は思っていた。