「………ちゃーん」
女の子の声だ。
ぼんやりとした頭の中で思った。
「きょ……ちゃん」
きょうちゃん?
私と同じ名前かな。
そんな事を思いながら目を瞬かせた。
とろりとした睡魔は鬱陶しく、それを払おうと、ごしごし瞼を擦る。
そしてうっすらと目を開くと、頭上に広がる屋根が飛び込んできた。
屋根の内側には細やかな絵が施されているけれど、視力が悪い私にはぼやけて見える。
私はしばらく目を細めながら天井を見つめていた。
やがて起き上がって、一度大きな伸びをする。
その途中で思わず顔をしかめてしまった。
固い床で寝ていたおかげで首や背中が痛い。
だいぶ寝入ってしまったんだろうか。
私は重たい倦怠感を引きずりながら鳥居に向かって歩いた。



