あたしが湊の腕を振り払おうとした瞬間、教会の中で響き渡った柴田くんの声。



ツカツカと靴音を立てながら西海さんに近づく。来ないでと腕を振り回す西海さん。



「柴田くん、危ない」



振り回したナイフが柴田くんの腕を軽く掠めそうになったけれどなんとか当たらず、うまくそのナイフを叩き落とした。



「瑠夏さん、もうやめてよ」



西海さんをギュッと、抱きしめた柴田くん。二人に近づこうとしたけれど湊は離してくれない。


結局あたしはそこから動けなかった。