西海さんが手にしたナイフを首元に当てる。ずっと湊と西海さんの話を黙って聞いてた。


湊と別れるって決めたのにあたしの心はまだ湊を求めてる。



でも、湊を取られないためなら手段を選ばない彼女に歯向かっていくことすら出来ず向けられる恐怖に怯えるだけ。


その恐怖を湊が抱きしめて取り除こうとしてくれるけれどきっとあの人は本当に湊を失わないためならあのナイフを。



「湊、このままあたしがナイフを突き刺してもいいのね?」




「もうやめてくれよ!!」