「瑠夏、俺はお前を好きじゃない。俺がお前のそばから離れなかったのは、母親から聞かされた境遇に同情したからだ」



ガタンと立ち上がる瑠夏。


ツカツカとバージンロードを横切り、俺のところにやってくる。



「ふざけないで!!何、言ってるの?この女にたぶらかされたのね!本当にどこまでもあたしの邪魔をする最低な女ね。湊、目を覚まして。あなたが好きなのは・・・」



「俺が好きなのは井沢舞花だ」



「・・・そう。でも、あなたに耐えられる?言ったわよね?あたし、湊は足首にキスをするのが好きだって。あなたがこれからされることはあたしが全て・・・」



「瑠夏!!もうやめてくれ。わかってるだろ?俺はお前を抱いてない。恋愛対象として見ていないんだ。いや、どうせなら恋愛感情をお互いに抱ければよかったな。そうしたらこんな風にお互いの大事な人をこんなに苦しめたり、傷つけたりせずに済んだのに・・・」