急いで瑠夏から携帯を奪い取ったけれど遅かった。



「もう、もういい。もう分かった。やっぱり幼馴染には敵わない。あたし、湊のこと、諦める。もう・・・別れてください」




俺は一番最低な形で舞花を裏切ってしまった。



「湊、湊はあたしのものでしょ」



瑠夏のその言葉でじいちゃんの話も体調のことも全て嘘だと気づいた。そうだ、瑠夏はこういう女だった。


自分のものは絶対に誰にも渡さない。



「今更謝られてももう遅いよ。湊はいつだってあの人を優先する。神戸に初めて来たときも、辞令が出たときも。そして大切な二人の約束よりも」