駆け引きオフィスラブ〜幼なじみにはカナワナイ?〜

電話で言われたとき、それでもまだ躊躇う自分がいた。だってさすがに格好悪いだろう。


いくら自分が住むはずだったとはいえ、自分の彼女を叔母に見守っててほしいなんて。



でも、俺はいつもそう。『でも』や『だって』で舞花を傷つけてきた。



舞花は隣の親切なおばさんがたとえ俺の叔母でも、監視されているみたいだなんて思うようなやつじゃないのに。


「なんだか、ちょっと安心した。戸田さん、親切であったかくてお母さんみたいな人だと思っていたけれど湊のおばさんだったんだ。もっと早く言ってくれればよかったのに」


「悪い。で、まあ俺は送ってもらった診断書を持って本社を訪ねた。さすがに診断書があると人事もすぐに動いたよ。だからこんな急な辞令が下された」