駆け引きオフィスラブ〜幼なじみにはカナワナイ?〜

箱の中からはピンク地に大柄の花模様が描かれた浴衣一式と下駄が入ってあった。


可愛いけど、ちょっと可愛すぎるよ、この柄。でも嬉しい。そっと広げて自分にそれを当ててみた。



「いいなあ、井沢さん愛されてますね。あっこれ作り帯だから家に帰って着付けなくても事務室締め切って着替えて帰れますよ。可愛い。井沢さんに似合いそう」



宮部さんはニコニコと浴衣を当てたあたしを見て可愛らしい笑みを浮かべていた。

あたしってばこんないい子に嫉妬するなんてダメダメ。でも、宮部さんで良かった。



湊からのメールは来ていない。今日は神戸駅で19時に待ち合わせ。



浴衣のお礼と楽しみにしているということだけ送って、浴衣を戻して宮部さんと二人、また仕事へと戻った。